よくお客様に寄り添ってという言葉を使うことがありますが、今回はこの「寄り添う」ということについて考えてみました。
半年以上お客様のところへ通った最初は、三鷹にあった横河電機の子会社だったと思います。当時はシステム開発を請け負っていました。まだインターネットなど日本になかった時代で、仕様書や設計書は全て印刷物でキングジムの分厚い青い箱ファイルに閉じられていました。それをコピーして自社に持ち帰るのも大変でしたので、お客様のところへ行っていたと思います。さらに、業務用端末もなかったのでお客様にある端末を共用で借りるしかなかったのです。
それ以降、記憶を辿ってみますと、6社ほど行っています。壁があったなあとか、寄り添ってたなあとか、今にして思えば様々でした。システム運用保守をしていたこともあり、この時は寄り添うどころではなく、完全に溶け込んでいてどちらの社員かわからなくなるほどでした。
寄り添うと言ってもいきなりできるものでもありません。第1段階としては、座る席の場所が一緒かどうかです。当初は別のエリアだったり、社員さんとは部屋が違ったり、つまり仕事を出す側と受ける側の間に明らかな壁がありました。呼び方も外注と呼ばれており、それがあまりよろしくないということで、協力会社とかパートナーとか呼び方が変わってきたようです。お客様の意識も仕事をしてもらっているというように以前とは変わってきました。
座るエリアが同じになると、次の第2段階としては、課やグループの定例会議に参加させてもらえるかです。定例会議では内部情報が扱われますので、契約を結んでいるとはいえ、本人の信用度がないとなかなか入れてもらえなかったりします。同じエリアにいて、定例会議に参加することで雰囲気や状況を把握することができます。ようやく、寄り添ったサービスを行う環境ができたことになります。
システム開発ではなく、セキュリティ業務では運用フェーズでの客先常駐になりました。運用フェーズでは週1回程度のミーティングではとても寄り添ったことにならないと思います。コンサルティングなどはどうしても一般論であり、べき論でのアドバイスになるので、最終的にはお客様の環境を考えてお客様で判断をして運用してくださいになります。
実はというか、当然ながらいくら素晴らしいソリューションやツールやシステムを導入したとしても、適切な運用ができないと意味がありません。導入後の運用についてはせいぜい基本設計までで、後はよろしくになるケースが多いと思います。
実際に運用するには、運用フローや運用ルール、運用マニュアルが必要になります。この部分を新明ワークスではサポートすることになります。現実の運用となると、べき論では片づけられない、「とは言え」がたくさん出てきます。そこをどう考えて運用していくのかがとても難しい課題になり、一緒に最適解を求めていくことになります。
つまり、寄り添うというのは、要望に応えるだけではなく、同じ目標に向かって一緒になってやっていくことだと考えます。もう少し具体的な話しをしたかったのですが、それはまたの機会としたいと思います。
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